第62章 新たな邂逅
ケイト「えっと…つまり?」
神様「あなたに救われたいからこそ、ということです。
ただ、穢れた精霊に陥った後に纏めて飲み込み
「モンスター部分」を体外に、「それ以外」を体内に分けたことで…
終末神の抱く闇も含めてそれ以外の闇を全て受け、闇がより一層濃くなったことで、堕天を促す程より強大な存在となってしまった。
神に至り全知全能となったことも相まって、その闇の存在全てを感知、及び経緯も含め全てを理解したこともまた要因の一つでしょう。
だから……世界神からも、始祖神からも、一目置かれているのですよ。あなたは…」
ケイト「瞠目)……」
神様「常人ならば…その闇の存在に堪えられず、消し尽くそうと暴れ回るでしょうから」
ケイト「確かに…そうだった……
でも………やっぱり……大事な部分だよ。
境遇が違う、理解できない。
それもあるからこそ、理解してくれる人を…何よりも大切に想う。
誰もがそうじゃないから、その反面理解できる人もいるから…大事にしようと想える。
その上で、願える。
喪うからこそ、いつ奪われるかもわからないからこそ、別れがあるからこそ…
もっと大事にしたい――もっと、共に生きていきたいって」涙
つー…
頬を流れ落ちるその目に宿るのは……
「喪うのも、奪われるのも、嫌だ」という頑なな意思…
だからこそ…奪ってはいけない。そちら側へ立ってはいけない。←2209~2211ページ参照
どうしようもない理由で奪ったとしても、それを背負うべきだと。
意味も、重みも…全て背負った上で、生きるべきだと。
そう…彼女の涙が、彼女の言葉が、そう語っていた。
神様「たとえ死んででもそれを貫いて欲しいわけではない。
というのも、わかっています。
だからこそ…どちらも大事に出来なければ、共存などなし得ない。
どちらかだけなど、それがあっては…実現してしまっては、理不尽に晒される側は常に泣き寝入りを強いられることとなる。
あなたが…コクーンに住む者達が、そうされ続けてきたように」
ケイト「……うん…
だからこそ…作ったんだ」
神様「それでいいのです…
ただ…」
ケイト「?」
神様「神の気紛れ…」
ケイト「それって…何?」
神様「正確に言うと…
本来ならこうなのに神様の都合で好き勝手に変えられると言いますか…」