• テキストサイズ

Unlimited【ダンまち】

第61章 新たなる発展





幼い頃…私は皆に促されるまま、小さかったから周りに促されるまま悪いことだと思い込んだ。

私自身もまた、私を責めていた。
当たり散らしていた。自分で自分を傷付けてしまっていた。


それを見抜いてのフィンの言動が、私へ抱く想いが…一瞬で全部伝わってきた。



次の瞬間私に浮かんだのは…フィンが愛しくて堪らないという激情と似た想い、フィンと今すぐにでも会いたいという衝動だった。



ティオナ「今迷宮に居るよ?!;」

リュー「落ち着いて下さい!;」

アスフィ「何があったのですか!?;」

ぎょっとした面持ちで抱き締め撫でて宥めてくれる周囲に対し…

私が求めているのはコレジャナイ感を強く感じた。



同意だけで得られるものなどたかが知れている。

というより、同意ばかりで増長もしたくも無いし、そもそもが状況的に仕方ないとしてもその後で殺しを二度としたくないと必死に修業もせず殺しをしてしまうリスクを放置して、同意や容認ばかりする周囲に甘えてしたい放題自由に過ごす神経も精神も理解できない。
というかこっちの場合、同じ立場に立ったとしたら修業を実行しなければ気が済まない。


そもそもが私は傷付けたくない一心で武を極めて傷付けずに殺さずに無力化する術を身に付け、実質人に対しては不殺状態を神になった今も貫き続けている状態だ。


だからこそというのもあるのだろう…相反しているとも言える。

たとえ敵でも傷付けたくない、殺したくないといくら口で言っていても
殺した後、傷付けた後、また修業など何もせず悠々自適に過ごした結果、その先で傷付けて殺し続ける。
その時点で詭弁であり口先だけの言葉や想いに成り下がり、薄っぺらなものと化すだけだ。

そう思えるのは立派だ、とも思う。
だが行動が伴っていなければそれは薄っぺらなものでしかないし実行などできようはずもない。
行動も努力も何もなしに結果はついては来ないものだ。

現に敵が傷付く事態、死ぬ事態がなくなることは一度としてなかった。
そして本人はその現状を憂うでもなく、修業なんてしない!嫌だ!の一点張り…

それほど嫌な修業を自らしてでもという程度の深い想いですらなく、その時点で軽いのが目に見えている。
備えも無く悠々自適に自堕落に過ごし、周囲はそれを寛容し同意し続ける。


人間駄目になる環境の出来上がり…怖いっ!;


/ 5289ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp