第60章 穏やかな日常
僕がついて行くのはうまくやっていけるかの視察、そして必要であればそれとなく補佐をする為。
だからいないものとして扱うようにも言い含めてある。
言い出した側でありながらも、彼(ラウル)の成長が楽しみでもある。
異常事態(イレギュラー)は多種多様に降りかかり続けるものだ。
彼なりに、どう対応するのかにも興味がある…
それに、彼は…ケイトと出会ってから格段に変わった。
少なくとも臆することは無く、堂々とするようにもなった。←1168,1169ページ参照
僕には大切な仲間、【ファミリア】がいる。
彼等彼女等を捨て置き、道を違えることはできない。
そもそもこの【ファミリア】は、僕とロキが始めた【ファミリア】だ。
この居場所をもって僕は野望を遂げると決めていた。
そしてそれは遂げられた。
ロキ・ファミリアの団長であり続けた後…
長い長い年月がかかったが…
ある一人の女性との出会いを経て、未だ誰も無しえなかった迷宮攻略を共に果たし
全世界への放送をもって、【勇者】の名は世界の隅々へ轟いただろう…
【救世主】の名も共に――一族(パルゥム)の『光』として
ただの王族では、『王』にはなれたとしても『英雄』にはなり得ない。
だが…彼女は、僕の夢を慮ってくれていた。
だからこそ…彼女は最初の夢として、最深部まで攻略すると言い出したのだろう。
自分が攻略してみたいというのもあったのだろうけれど…僕のことも、野望も理解した上で。
あれから随分と小人族(パルゥム)の地位は向上したようにも思う。
少なくとも…下を向いて生きる人は大分と減った、風当たりも改善されつつある。
相対しただけで下に見られることもあるし、年下と取られることもある。
頭を撫でることや身長への指摘は侮蔑の対象として捉える同胞(パルゥム)もいる。
まあそれは仕方ないわけだが…
僕をここまで立てて…英雄にしてくれた。
そして勇者の後継者にどちらがなるか、アルとディに決めさせる。
どちらも申し分ない実力を既に発揮しているし、周りの迷惑にならないように頑張ってはいる…←1712ページ参照
頑張っては……;(冷や汗だらだら)
だから今度は…僕が彼女の夢を果たす番だ!(キリッ!)←真剣顔
テロップ(フィアナ)『フィンは問題を無視した!;』←誰の目にも明白