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Unlimited【ダンまち】

第60章 穏やかな日常





『父へのご機嫌伺いの為、しきたりを破ってまで度々家へ連れ帰られること』は十字架へ浄化の力が宿っているのを確認後、例外として精霊王は赦した。
十字架をケイトへ授けることを条件に…

穏やかな気質もまた、生来のものと相まって守り人達の穏やかさにも影響されたのだろう。


騎士になって皆を守ると志すほど素直で直向きだったが故←1507ページ参照

性行為を知るまで穢されたことを知る由も無かった。



心の傷は決して消えはしない。
知らなかった当時のように無くなりもしない。

だが…経験を共有したからこそ、同じ喪った経験をした他の考えに触れて理解し合ったからこそ
自分の心の中を吐き出せる場を得たからこそ――…自分の当時の気持ちへの理解を深めることが出来た


吐き出したそれに寄り添われ、理解され、共感され…それでも離れていかない初めての存在に、それまでにない喜びと共に涙した。



「共感」と「理解」を繰り返しながら、改めて自分の心の傷と向き合う。

そして…共に今と向かい合い、前に踏み出す段階にまで来ている。


昨日の堕天と共に闇を理解し、共感し、歩み寄り…
今を皆と生きようとすることができるまでになった。

自らの闇にまで歩み寄り、全ての記憶をフラッシュバックと共に掘り起こし向き合い…自己分析と共に全て理解した。



死こそが希望という「自分というそれまで」による悪癖と概念を払拭し
共に今を生き、それに希望を見出そう、歩み出そうと奮起し…

僕達を哀しませない為、前に進む為、決意を新たに固め直した。



ケイト「フィン…フィン……」すりっ

擦り寄り脱がせにかかるケイトに、僕はやんわりとその右手を握って止めた。


ケイト「?」

フィン「妊婦として、激しい運動は是が非でも禁じる。←2213ページ参照
反論は認めない。


時間加速も使わせないし…今後こそは、ちゃんと妊婦として過ごして欲しい。
僕も、それを支える夫としての期間が欲しいし設けたい。

2人だけの、大切な経験として――ね」微笑&なでなで←左頬を右手で撫でる

ケイト「…」

フィン「僕の言いたいことは…わかるね?」

君を――大切にしたいんだ


ケイト「…うん…私も…だよ、フィン^^//」涙

双眸から涙を零し、独りじゃないことをひしひしと感じ入り、噛み締めながら唇を僕の唇へ落とした。


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