第60章 穏やかな日常
・彼を視界に入れただけで吐くほど嫌いになった理由(ケイトの場合)
神『彼(沢田綱吉)が悪いわけではないんですよ?
その後の行動が悪いんです。
それさえケイトの言う通り殺しと向き合って、苦心しながらも色々やって頑張ってさえいれば…
まだ特別措置として天国行きにはできるのですが…;
それか殺されてた方が天国行きできてましたね。
ベースとなる世界がああなので…全て地獄行き。
常人ならば、もし殺した人が目の前に出れば
発狂したり、罪の意識に苛まれたり、謝り倒したり、また殺そうとしたりするのですが…
恐らく…微塵も責めたり苛(さいな)めたり咎めたり『されない環境』で、気付かせてくれる人がいない。
もしいたとしても、その環境が普通だった場合
それそのものがおかしいという感性なので、「何言ってるんだ?この人は」となったわけです。
きちんと説明すればわかるはずと思ってしても通用しなかったのはそこにあるかと…』
ケイト「恭弥だけ天国行きだったんだよね…何で?」
神『やり返されるのも、今後また傷付けられるのも覚悟の上で傷付ける行為。←雲雀のイメージ出現
やり返されるのも傷付けられるのも嫌という手前勝手な傷付ける行為。←沢田のイメージ出現
さて、どちらが覚悟があると思いますか?』
ケイト「恭弥だね」きっぱり
神『同じ護る為でも、これほどに重みが違います。
そもそもが…最初はああではありませんでした。
両親が親戚一同の策略で殺され、それを幼いながらに摘発して逮捕に貢献しました。
その時点から、雲雀は警察から一目置かれていたようです。
そして両親が愛していた土地を…並盛を守ると決めた。
自分もまた愛していたから。
遺された並盛を護り抜くと決めて、一人で立ち上がった。
そういう経緯の下で幼いながらに群れるのを何よりも嫌い、もし群れれば蕁麻疹が出るという…
守る為なら自らにどうこうなるのも顧みないように…
はい、ああなりました。
ちなみに神社の屋台のショバ代を払えと言うのは、その土地の持ち主が雲雀家私有の土地であり、両親の意向を引き継いで解放されたままとしているからです。
され返されるのも覚悟の上、全てのリスクを背負った上で果敢に進むことを決めたのです』
ケイト「名家だって知っていたけどそれでか;」
神『その通りです』きっぱり