第60章 穏やかな日常
ケイト「フィン…(フィンの右頬へ左手を当てる)
フィンが庇ってまで助けてくれた時点で…(なでなで)←頬を撫でる
既に、わかってるよ(微笑)
ミノタウロスの時…
庇ってくれて、ありがとう^^(つー(嬉し涙が頬を伝う))←908ページ参照
初めてだったんだよ…?家族以外ではっ(ぐすっ)
だからね…フィン……ありがとう、本当に…救われた、それだけで報われたんだもの。
それまでの苦労も、痛みも、全部…
普通に関しては…頑張って、まだ学んでる最中だから。
よろしくね、色々教えて」
フィン「ああ…任せてくれ」
ぎゅう
互いに抱き締め合う。
その中で、温かな温もりが強く感じられた。
穏やかで、温かで、心地よくて…一生離したくないと心から強く想った。
ケイト「…KYな所もあるけど?;」
フィン「いいじゃないか^^
時として…それが救いになることだってある。
僕がいい例だ。
完璧な人なんて…いないんだから」
ケイト「ん……(頷)
…ありがとう」ぎゅううっ
抱き締める力を強めながら、顔を僕の胸へ再び埋めた。
濡れていき体温が奪われていくのを感じながら、僕は笑った。
絶えない温もりなどない。
それでも――この時は、この時だけは…確かな温もりを感じた。
太陽がすぐ傍に居るかのような錯覚に囚われながら…僕も負けじと抱き締める力を強めた。
そしてケイトもまた…笑みを浮かべる。
これでもか!と声が聞こえた気がした。
ここまで、感情も心も取り戻せたぞ!とも言っているように…
フィン「ああ…(微笑&頷)
おかえり^^」
いつ喪ったか知れない笑み、涙…感情…心…人格…
それらを噛み締めるように、それごと生きようとする彼女に…僕は短く答えた。
そして彼女も答えた。
ケイト「ただいま!^^」
ここにいるぞ、と…短く、高らかに応えた。
再び腕の中に閉じ込める中…
今度は縋るのではなく、背に腕を回して自らも手放すまいとする彼女に…僕は笑うばかりだった。
幸せで仕方なくて…心地よくて…自然と笑みが止まらなかった。
そうして…穏やかな時間は幕を閉じ、新たな時へと進んでいく。
終わりという一区切りはあれど…
死が訪れるまで、本当の終わりなどないのだから……
僕達の日々は、今後も紡がれていく――