第59章 承継人
神様の意図がわからず、首を傾げるばかりだった;
ケイト「で、でも…その人でないとできないこともあるわけで…」
神「そうとは限りません。
あなたは…代わりになるだけでなく、沢山のことをやってのけた。
その有事に備えて懸命に励み、常に日常的にでも励めるよう努力し、更には神にまで上り詰めて見せたではないですか」
ケイト「で、でも他の世界では無理で
神「だとして、あの世に帰る時に胸を張って帰りたいからと頑張れることは誇っていいことです。
誇るべきことです。
並みの人間ではできなどしないのですから。
彼を酷評する理由……神々が嫌う理由…わかりますね?」
ケイト「……否定できません!」ぎりっ!&くぅっ!
何故か悔しさが込み上げ、歯噛みした。
ケイト「でも…私みたいな、こんなワンマンがいいの?
神「どこがですか?
力にものを言わせて敵を黙らせてるのは誰ですか?
挙句の果てに、自分よりも圧倒的に強い人が現れた後になってから会話も大事だと言い出す始末ですよ?
アフターケアもなしに、心も見ようともしないあれが優しさですか?
相手を見ようとしない、敵対行動だから倒して一方的に終わりと距離を取り、有事への備えも修業も努力もしない。
本当にワンマンなのは――…一体どちらですか?」
ケイト「いや、でも私も闇を消したわけで;」
神「ありがとうと言っているのが見えましたが?」
ケイト「私には見えてなかったよ!;」
神「ですが…本心は見えていたでしょう?
何となくではありますが…
殺されたくないのであれば、殺そうと思えば殺せていた。
そう薄々と勘づいていた。
本当は…壊したくはなかった。だからこそ猶予を与えた。←1503,1507ページ参照
でなければ、あれほど強烈な浄化はできなかったでしょう」
ケイト「それは――そうだけど」
神「それだけでない…
相手の行動が不始末であれば、地獄落ちになり得るものであれば…
あなたは是が非でも止めようとするでしょう?
彼はしない。
霊感などないから、その仕組みさえも知らないから…
この世では好きに動けるから、動けてしまうから…
好き勝手に動いていいと曲解し止めもしなければ逆に自らもまたする。
地獄落ちに導く才能が彼にはある――そう表現したのは…そういう一面もあってこそのことです」