第55章 事件
・もう一つの事件
その日の晩、事件はもう一つの場所でも起きていた。
ロキ・ファミリアホーム、黄昏の館――
人気のない場所で、レナをティオナとティオネが押さえ込みながらそれは始まりを告げる所だった。
ベート「で?急にこんな所に呼び出して何のつもりだ?」
リーネ「………」俯
ベート「?」眉顰め
そこは階段下の倉庫、人があまり近寄らない場所だった…←188ページ参照
呼び出したのはリーネだというのにも拘らず、未だ何も言い出さない彼女にベートは眉を顰めた。
アキも通りがかったが「何してるの?」と声を出そうとした瞬間に
シー!と人差し指を自身の口に添え、静かにするようティオネとティオナの目が言い放った。
ベート「…用がねえなら修業に戻るぞ」ふいっ←背を向け去ろうとする
リーネ「!あのっ!」←顔を上げて叫ぶ
ベート「あ?」←振り返る
リーネ「………私…」ぎゅっ←胸の前で両手を握り締める
ベート「……?」
リーネ「私…!!
ずっと…ずっと、ベートさんのことが好きでした!
今も、好きですっ!!
結婚を前提に、付き合ってくれませんか?!//」瞑目
ベート「………
!!!!??・・;
なっ…おま……」ぱくぱく
ロキ「うっひょおおおおお!!
リーネのダイレクトアタック炸裂ううううう!><//」
『しいいいっ!!』
レナ「ベートはレナのおおお!!;」じたばた
『しいいいいっ!!!;』
無理やり口を塞がせながらもなお、ベートは気付いていた。
だからこそ彼は…見世物のようで面白くなさそうに舌打ちをし、それにリーネは断られることを想起して身を震わせた。
リーネ「ビクッ!)!;」
ベート「……(ガシガシ)←後ろ頭をかく
……はああっ(肩落とし溜息」ふいっ
背を向けるベートに、リーネは肩を落とした。
だが…
ベート「……1年だ」ぽつり
『……?』
ベート「1年…生き延びたら考えてやる//」
リーネ「!!
っ…!
はいっ!!//」涙目
『やったああああああああ!!!!』
諸手を上げて周囲は歓声を上げ、リーネは涙を流し…拭っても拭ってもなおそれは流れ落ち続けていった。
レナ「レナは?!レナは!!?」ずいっ!
ベート「知るか!;」
ロキ「重婚したりや」
ベート「誰がするか!;」
ギャーギャー!!