第53章 メシア・デイ
パレードは9時の本祭り開催と同時に打ち上げられた花火(1995ページ参照)と共に始まり、1時間の休憩も挟んで2時間半ずつの計6時間続く。
魔力を操作し、ディも先程のアルと同じように頭をひょこひょこ出させた。
それもあってか、領民達は挙ってパレードの中央でケイトの像を担ぎ、わっしょいわっしょいと神輿のように持ち上げた。
それ以降…何千年も続いて行くなど…果たして、誰が思ったことだろうか;
領民達が喜びのダンスをあげつつコクーン内を練り歩くというもので、観客達も外周を囲んで共に踊りながら移動している。
参加しようとする観客達に押されて巻き込まれ、共に中央まで押され流されていったというのも納得の熱気と賑わい具合だった。
パレード専用の幅広の通路が全てのエリアに繋がるように配置されており、そこを練り歩いている。
ただし、バスの通る道はバス道と呼ばれるもので人の通行禁止区画となっている。
と言うのも緊急でも光速で飛ばせる為であり、だからこそ人も物も侵入不可としている。
入れるのはバスが着陸かつ地面の凹みと接着と共に扉が開いた時、それもバスの中へのみ。
道路には侵入できず、埃以上の分子レベルの物も生物も赦さない結界が常に張られている。
ちなみに言うと、バスからでもパレードを見ることはできるが早いのでお勧めはしない。
逆に先回りするのには向いているので、一番広い場所へ陣取って待ち構える目的で乗る人もいる。
コースは中心地エリア(駅)から始まり、東エリア(商店街)、南エリア(植物園→動物園)、西エリア(水族館)、北エリア(遊園地)、東エリア(ため池)、東エリア最奥に位置する市壁にあるポータルから最大の広さを誇る雲王国エリアへ、そして同様に雲王国エリアの北から時計回りで一周し終えるまで続ける。