第52章 メシア・デイ・イヴ

フレイヤ「それにしても…相変わらず、見ていて惚れ惚れするぐらい//」うっとり←頬に手を当てながらケイトを見入っている

ロキ「まあ…そりゃ出会った頃と比べたら随分とな！

俯瞰できるようになった訳やし…」

精霊王「人に遭わせていたのと同じ目に遭うなどということ自体、早々ないからのお。

実際の所、人からされる行為など
「相手からされたからされるというもの」ではない。

例えしていなくとも、相手の気分次第でされるのが実情じゃ。
やった輩は、ただ人のせいにして「自分のせいではない、自分は悪ではない」と認めたくないだけ。


詮無い上にキリもない、欲深く浅はかで愚かで、浅慮で残虐な真似ばかりする、それこそが人間というもの。

最も穢れた動物じゃて。
同族同士で殺すまで争い合う、欲しいものを奪い合う、それなど普通はせん。

せっかく言葉もあるというのに、それも使わずわかって当然と強要する。
弱肉強食の如く奪い、権力者の子が父や母が何だと威張って笠に着、高圧的に思い通りに動かそうとする。
周りも受容し、それによって助長されていき、それを不思議にも思わん。
相手の思いや気持ちなど歯牙にも掛けんし慮りもしない。

やたら声を大にして叫ぶ考えの浅い輩もまた然りじゃ。
周りの迷惑も考えず、自分の思い通りになって当然と高を括る。
いじめっ子に多いが、同じ目に遭わしても大人になっても改心せんし、苦しむ様を見て楽しいと感じる輩も多い。


された側は鬱屈し、好き勝手に捻じ曲げられ続けることに慣れ、常に失望かつ絶望のどん底状態。
例え心が壊れても追い打ちをかけ続け、更に苦しみを与えて楽しみとする。
そういう奴等しかおらんのよ、人間には。

まともな輩…殊更自分より他人が第一とする者など、世界中で一つまみもいかん。
70億の内497人弱じゃろうて」

ロキ「ここに全員集まっとるけどな」


精霊王「うむ！

この国ではいじめっ子は重犯罪者。
されると痛いとわかっていてもなおやり続ける。
障害となるほどの傷を人へ与えて快楽を感じ、一切手も止めず心も痛まない依存症の輩じゃからな。

その重犯罪者には一切近付かん、寄り添わない、距離を置く、差別する、話しかけない、触らない、助けない。
それを義務付けていくつもりじゃ」

ロキ「丸っきり人に対してした行為がされるシステムにするいうことか」