第52章 メシア・デイ・イヴ
精霊王「…;」ピクッピクッ
殴られている最中、右手を上に上げて僕へ助けを求めた体制…
そのままで、精霊王の意識は薄らいでいった…;
ケイト「じっちゃんなんか知らん!」ふんっ!!
そうアルとディを抱き上げながら僕に「行くよ!」と言い放ちながら、その場を去っていった。
置き去りにされたアイズ達が動き出した折、立ち去った後でこんなやり取りがされていたなど僕達は知らなかった。
精霊王「…ふ…フレイヤ…話が、、違うぞ。
年を取るに従い、周囲から押し付けられる常識で思考の方向性はガチガチに固められる。
その前に、重婚に対して寛容にさせる。
その為の睡眠学習だったはずじゃ;
もし…ばれた時には…庇って…くれる、はずでは」
フレイヤ「さあ?…何のことかしら?」微笑
精霊王「ひっ…
卑怯者おおおおおおおおおおおおおおおお!!!;;」涙
フレイヤ「「多種多様なものに対して寛容な精神を持たせる為」とか
色々と言い訳も立つと思ったのだけれど…
あれで堪忍袋の緒が切れるのね。私は気を付けないと^^♪」ふふっ
テロップ『まさかの実験台だった!』←自力で帰ってきた
精霊王「ぐふっ!」
がくっ!!←力尽きた
チーン
『南無阿弥陀仏…;』合掌
要するに、黒幕は別におり
精霊王は神フレイヤにいいように利用されていただけ。
「人聞きの悪いことを言わないで」←フレイヤ談
そんなこととは露知らず、僕達は雲王国を楽しみ直していた。
その後…僕達は闘技場での戦いまでの時間を
雲王国原産、雲クッションの中で共にまったりとまどろんで…
正直に言うと、すっかり熟睡し切っていた。
大きさは直径2mで高さは50cm。
雲で造られているので形も自由に変わり、集めて枕にもでき、身体を埋めてベッドと布団にもなる。
コンパクトに掌サイズへ変えて持ち歩ける上、重さも0。
寝入るまで揺り籠のように動かさせることもでき、温度調節も可能、いくら汚しても常時浄化魔法が働いているので洗濯も不要。
後にダンジョン必須アイテムとなり、雲の中に入れば防具にもなった。
勿論買った。
他にも買う者は非常に多く、「余計に出れなくなったじゃないか!!」とまで言わせる要因となった。
柔らかく、なおかつ決して破れず丈夫という矛盾した性質を持っているので仕方ない。