第50章 秘密
精霊神「主等は揃いも揃って喧嘩しに来たのか!?
あるいは取引をしに来たのか?どちらだ!!?」
フィン「どちらでもない!
僕の命と引き換えに
ケイト「私の命にしろ!!」
フィン「僕が話してる途中で口を挟むな!!」
精霊神「つまり…ばらすよう唆した男、覚悟の上でばらした女…
それがもとで、女は魂ごと体まで結界の礎となって消失するはずだった。
だが生かす為、双方の不老不死となった体を礎にしろと…そういうわけだな?
なるほど…
それならば確かに、ただの肉体ではない分、長持ちはするだろう。
だが…いつまでも持つとは限らない。その確証もない。
だからこそ、その案を安易に受け入れるわけにはいかん」
フィン「一度試してみてくれ!
結界にどういう違いが現れるか…
それを確認してからでも遅くはないだろう?」
精霊神「ふむ…一理ある…
だが…そのようなことをして、私に何の利がある?
主にとっての利しかなかろうが」猊視
フィン「……」ごくり
ただ…考えを聞いているだけ。
それだけだと言うのに、ひどい圧迫感を感じた。
と同時に…非常に迅速に、これまでにないほどの勢いで頭(思考速度)を回転させた。
フィン「……必要以上の力を与えれば、崩壊の危機が訪れる。
爆発する可能性もある。
それは…利にならないかい?」
精霊神「ふむ…うまく考えたな。
よかろう。
結果如何では考慮する」
フィン「ほっ)…」
精霊神「だが安心するでない。
そのような保証など、どこにもないのだからな。
結界の耐久、容量が必要以上に増えれば自壊する所か自爆する可能性もある。
だからこそ汲み取ってやったまでだ」
精霊神からの言葉に安堵の息を漏らす中、精霊神から即座に釘を刺された。
咄嗟の切り返しがうまくいかなければ…
裁きだとばかりに、一切も躊躇なく命を吸われていただろうと…そう簡単に想像でき、内心ぞっとした。