第48章 死
海洋国ディザーラ
海で囲まれた島で、南国を思わせる環境にある。
白レンガで建てられた家々に囲まれた通路を渡っていく中、例のポータル予定地が見え、そこで予定通り繋げた。
念の為に実験をしてみた所、問題なくオラリオへ直通で通じており、依頼完了のそれをもらった。
そして…南国フルーツとジュースに囲まれて食事を進めた。
朝御飯を食べる前に聞き、緊急性があるとのことから飛び出した為…何も食べてなかったのだ。
それから手早く食べ歩きできないものだけ食べ終え、後は依頼の場所まで歩いて食べることになった。
依頼のある場所はトンネル、と言うより…洞窟がある場所らしい。
住民が言うには、夜な夜な呻き声が洞窟から聞こえ、人型のモンスターが現れたそうだ。
討伐もできず、かと言って見つかるわけにもいかず、いつこちらに来るか怯えているそうだ。
それも…人間の姿をしたモンスターらしく、「助けて」という声が誘拐された妻と全く同じだった為、夫である依頼人は即座にギルドへ指名依頼を出したらしい。
男「来た!!」
ケイト「風月流、八刀篭(はっとうろう)」
ズババババ!!
4本線の軌道と共に、八つに斬り刻まれる。
『きゃー!!』
『人殺し!!』
男「よくも妻を!!」
バキッ!!
人通りの多い場所まで出てきたモンスターに、咄嗟に斬り刻むと共に神の力で人間を保護した。
どうやら、モンスターと人間の身体が一つになっているようで…
ブランシェの時(1089ページ参照)と同じように肉体が既に消えてモンスターのそれとなってる為、神の力を使用して人間の身体へ強引に変化させた。
気になるのは、常に元となっている人間がモンスターの中央にあること。
それと…元となっている人間の外見が、一つも外見に反映されてないこと、かな?
ケイト「よく見ろ。
この血はモンスターのものだ。
人は一切傷付いてない」
『!!』
男「あ…ありがとうございます!
殴って、すみませんでした!;」
ケイト「念の為に治療院で診察してもらってくれ」
男「はい!!」
そして妻を抱えたまま、指差したポータルを使用してオラリオの治療院へと駆けていった。
パイナップル食べたいな…
そう思いながらも煩悩を払い、気になった点を皆へ伝えた。
テロップ『今思うべきことではない』