第48章 死
椅子に座って話し合う中、ちょうど着いたらしいのだが…
まだ気付かないまま、フィンと話し合い続けていた。
ケイト「個々の意思の尊重を最優先した結果、好き勝手に動かないかだけが心配だなあ。
仕事で確認も無く自由に動かれてやろうとしてたそれが重なってたら二度手間になっちゃうし…
でも職権乱用で公私混同されるのもまた困るし」う~ん
フィン「その問題については個々で話し合うことにしている。
どうしても解決しない場合は長に相談するなり、皆で話し合うなりしてくれと。
個人の意思を尊重することは既に法律で義務付けられているから、纏めるのが難しくなるわけだけれどね。
個人の考えは違って当然、理解を得られないこともある。
だが、そう在りたいと望むそれもまたあるのだと受け入れる寛容さも必要となる」
ケイト「それを持っていて、なおかつ虐げられ続けた人達を受け容れたわけだけれど…
大丈夫かなあ…
外から入ってきた人に前の職場ではこうしてたから俺の言うことを聞け、聞いて間違いないとか言い出す人とかいたら困るなあ;」
フィン「安心してくれ。その点については問題ない。
以前の職場、立場に関係なく与えられるそれは平等、命令もない。
ただ、役割分担の為に声掛けをし合う方針を取っているからね。
それも朝の始めに朝会、昼御飯の後に昼会、夜御飯の後に夜会と分けて。
急務の際も店長と仕事を受けた人、その時にいた人達で話し合う形となっている」
ケイト「そっか。
働く時間は1日の内に8時間と定められていて、『8時から昼休憩&昼御飯込みで17時までの朝型』と『14時から晩休憩&晩御飯込みで23時までの夜型』に大別されているけれど…
問題は店長の引き継ぎだよね?」
フィン「1日交代交代に加え時間毎に変わるのだけれど、携帯で情報共有されてる…
それもまた仕事の内となっているから、問題は発生しないよう最善を尽くされているよ。
緊急時の為にスタッフ、というより警備隊が23時から朝休憩&朝御飯付きで8時まで巡回してくれているわけだし。
急病が発生した時はすぐ治療院へ駆け込めるよう常に既定のエリアに居てくれている、数分ごとに巡回しているけれど見える範囲内だ」
ティオナ「もう着いたよー」
そう声をかけられると同時に、気付けば口から言葉が出ていた。