第45章 魔術式
それはそうだろう…
始祖神の何十億年に渡る記憶にも、闇にさえも負けないほどのものだ。
抱え込んでいるそれが、どれほど押し潰されそうなものなのかは…言わずもがなだった。
ケイト「やっぱり…嫌だよ……あんな地獄に戻るのはっ…」
左手でくしゃりと前髪をかき上げ、握り締める。
その手は震えていて、身体にまで震えが伝搬して…空気まで震わせているようにさえ感じさせる。
不意に…彼女の双眸に涙が滲み、零れ落ちていった。
ケイト「ごめん……助けてっ;」
ぎゅうっ
フィン「…当たり前だ。
君を、そこから助け出す為に…
護る為に、結婚することを選んだのだから」
そう言いながら抱き締める中、ケイトは縋り付くように涙を流しながら背に両腕を回してしがみ付いた。
大丈夫だと言い聞かせながら背を撫でる中、周囲の声が耳を刺した。
ティオナ「…要するに、フィンはもう苦しんでいるケイトを見たくないんだよね?」
リヴェリア「ああ、そうなるな」
アイズ「でも…叫びたくなる気持ちもわかる」
ティオネ「寧ろ怒らない方がおかしいと思うわ。私も!
団長と同じで^^//♪」
『……;』
ガレス「いいように利用しようとする輩は数多くいるじゃろうな。
ただでさえあいつは押しに弱い」溜息
リヴェリア「困っているていを見ればすぐ力になろうとする馬鹿だからな。
だが…そこがあいつの美点であり、いい所でもある(微笑&腕組)
尤も…だからと言って「害する者、騙し利用しようとする者」は尽きないわけだが」
ティオナ「人の思想は自由って言ってもねー;」
アイズ「…やりにくい;」
精霊王「だからわしが後ろ盾になっとった。
それでも拘らず、あのような仕打ちをし続けてきたわけじゃからな。
いくら助けを求められようと知るか!」ふんっ!
ティオナ「…意外と根に持つタイプだよね、どっちも。
死ぬまで忘れなさそー;」
精霊王「忘れるか!それほど大事なんじゃ!」ぷんっ!
ケイト「いい年したじっちゃんが…;」ぐすん←涙が引っ込んだ
ティオネ「精霊王はこの際もうほっときましょう」
ティオナ「さんせーい」挙手
精霊王「なんじゃと!?;」ガーン!!
アル&ディ『すーすー』
ケイト「その…お手数をおかけしますが、よろしくお願い致します」深々お辞儀
『安心して頼れ!』