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Unlimited【ダンまち】

第42章 伝説





アイズ「ああいう風に自分に合わせて当然って思ってる人よりも…
ケイトみたいに、気にしてくれてる人の方がいい。

大切に…想ってくれてるのが、その行動から伝わってくるから」

ケイト「……そんなの初めて言われた」ぽかーん

アイズ「うん…私は、ケイトが好き」微笑

ケイト「……」
アイズ「真っ直ぐに伝えてくれる、嘘がつけない…

相手と、ちゃんと向き合おうとする。
異物だから、自分とは違うからと言って全部間違ってるとは言わない。

人は、その人の在り方がある。経緯がある、歴史がある…

だから…いつも人を否定しない。
人にこう進めとは言わないし、その人の意見を聞いて尊重してる。


ああいう人は自分だけよければ、人を傷付けて満足できるから。
そう思う理由も…気持ちも…私は、わかるよ。何となくだけど。

ケイトは…それで同じように傷付けられていく人達のことを、ちゃんと考えてるんだね。
これからも、そういう傷付いた人達が増え続けていくことも。

その傷付ける側の人間は、決して変わろうとしないことも」

ケイト「うん…そうなんだけど……

どうにもね…?
こっちも決め付けてるんじゃなかろうかと悩んだりもするんだよ」


アイズ「でも…間違いでは、無いと思う」

ケイト「へ?」

アイズ「ケイトは力がある。屈服させられるだけの、強大な力が…

でも、威圧もしない。喚きもしない。
自分だけが正しいと思い込んで、人の話も聞かないで当たったりもしない。

人数にものを言わせて、自分を正しいとして…
ケイト一人を多人数で囲って、あんなになるまで追い込んで…何も感じていない。

今もきっと、自分にとっていいように笑ってる。
ケイトは絶対…あんな横暴、したりもしない。

ケイトの方が、比べるのが場違いに感じるほどに、よっぽどまとも」


ケイト「……」

ティオナ「殺意を抱かない人間なんて、きっとこの世にはいないと思うよ?」もぐもぐ

ティオネ「裏を返せば生きているって証よ。

怒れるほどに、ちゃんと自分という存在を認知できているんだから。
それに負い目を感じる必要もないわ。誰もが持ってるわけだし」溜息


ケイトにとっては目から鱗なようで、瞠目したまま聴き入っていた。


それから、ふと俯きながら…ポツリと、力無く項垂れたまま呟いた。


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