第33章 ケイト調査票
ティオネ「あんた…魔力0なのにどうして魔力の身体強化できてるのよ;」
ティオナ「えへへ^^
ケイトに教わったんだ!♪周囲の魔力を取り込んで強化に使う感覚を!b」にっこり
ティオネ「…呆れた指導力ね;」
ティオナ「感覚で覚えれば後は楽だったよ?」
ティオナやティオネとも打ち解けてきた。
レフィーヤもどうやら心を開いているようにも見える。
アイズもまた同様に、僕と同じことを感じていたらしい。
僕がケイトと結婚式を挙げた後…何故か、ケイトへ結婚して欲しいと言い出すほどに。
ケイトはその場でおろおろとしながらも断っていたが、アイズの眼はどこか…まだ諦めていないようにも見えた…
そうしてケイトにとっての初めての遠征の時…彼女は死に掛けた。
守りたかった…護れなかった――
庇って死に掛ける彼女を前に、咽び泣くことしかできなかった。
両親に庇われて、目の前でその死を看取ったあの時のように…
いや…あの時以上に、強く君という存在に焦がれていた。
その時を境に、僕は強く君への愛を自覚した。
こんなにも恋い焦がれているとは、思いもしなかった。
過去を打ち明け、受け入れられ、何を犠牲にしてでも守り抜こうと思った。
互いに想いを打ち明けたあの日の晩から…深く繋がっていることを実感した。
遅過ぎるなんてことはない、ちゃんと想ってくれていたことは伝わっていたという言葉に…心底、救われた。
ブランシェから護ろうと立ち塞がった時、その想いは、絆は…より顕著に感じた。
守ろうとした。それでも逆に護られた。
強化種のミノタウロスの時に護ることに成功しようとも、結局は…それが、ケイトを傷付けてしまった。
傍から見れば即座に治せばいい話。
だが彼女にとっては…よくしてくれた人は皆殺されていたからこそ激しい動揺を呼んだ。
でも…僕にとっては嬉しくもあった。
ケイトの中で、それほど大事な存在になり得たこと。
ひいては、自分を大事にする大切さを教えることができたから。
純粋な彼女が、好きで仕方がなかった。
打算もせず、真っ直ぐにぶつかってくる眩しさが…どこか、心地よかった。
僕にはできないこと、思い付かないことを平然とやってのけるケイトが大好きだった。
何より、是が非でも助けるその姿に――僕は憧れ、人生で初めての恋をした。