第8章 妖魔滅亡 巫女達のその後
こうして、妖魔と巫女との最後の戦いの火蓋は切って落とされた。
美琴は、剣を構えアグレスと対峙した。
アグレスは、攻め続けたが美琴は攻撃をかわし反撃の機会を伺っていた。
「おのれ、ネズミみたいにちょこまかと動きおって・・。」
アグレスが叫んだ。
「その程度の攻撃で、この私には勝てないわ。」
美琴は呟き、剣を構え直した。
「美琴・・・」
望が美琴に。
「望・・四性獣の力は解放出来るの?」
美琴が望に。
「え? あ、うん・・・ようやく、四性獣の力を解放出来るようになったわ。」
美琴の問いかけに望が答えた。
「そう・・・なら、手伝ってくれる?」
美琴が望に。
「私も、力を貸すわ。
みかるが呟き、美玖が加勢した。
「天野流最終奥義! 妖魔閃光暗剣斬!」
黒いオーラに包まれた美琴が5人現れては、次々とアグレスに斬りかかった。
「お、おのれぇ・・・・」
アグレスは、叫び断末魔を上げ絶命した。
「ハアハアハア・・・・」
美琴は呼吸を整えた。
「終わった・・・。」
美琴が呟やくが、意識を失い倒れた。
「び、美琴・・。」
望は叫び、倒れた美琴を抱きあげた。
その時、聖堂が大きな音を立てながら揺れた。
「美琴は、貴方の事を望と言いましたね。」
美鈴が望に。
「は、はい・・結城望と言います。」
望が美鈴に。
「ここは、もう長くはありません・・美琴を連れて脱出しなさい。」
美鈴が望に。
「し、しかし・・。」
口を濁らせながら望は呟いた。
「後の事は、私に任せて下さい。」
頬笑みながら美鈴が呟いた。
「・・・・わ、分かり・・ました。」
望は呟き、美琴を連れて最深部から脱出しようとした時
「・・・待って、望・・・私を離して。」
美琴が呟いた。
「は、離すって一体・・どういう事?」
望が美琴に訊ねた。
「私も、ここに残る。」
美琴が呟いた。
「び、美琴・・何を言ってるの?」
望が呟いた。
「望も見たでしょ・・もう一人の私の姿を。」
美琴が望に。
「ええ、見たわ。」
「だから、私もここに残る。」
美琴が呟いた。
「美琴、何言ってるの! 貴方が死んだら天野神社はどうなるの?」
美鈴が美琴に。
「私の身体の半分は、妖魔なの・・つまり、望みたいな純正な人間ではない。」
美琴が呟いた。
「気持ちは、分かるけれど・・。」
望が呟いた。
「だから、私もこの聖堂と運命をしなければならない。」
美琴が呟いた。