第12章 幸村のターン
『頭領として里の者たちに説明する時間をいただきたい。明日から5日程、お暇をいただけますか?代わりの護衛は上田城から来た真田幸村に任せます』
『ああ、いいだろう』
(えっ!?それって本能寺の森にいた幸村って人の事だよね、一体どうなってるんだろう)
『小太郎、お前が戻ったらまずは駿府城に戦を仕掛ける。そのつもりでいろ』
『わかりました』
(聞こえちゃった!駿府城って家康のお城だ!どうしよう、止めないと下手したら歴史が変わっちゃう!)
2人の会話はここで終わり小太郎が部屋を出ていくと、氏政と直美の囲碁勝負の時間になった。
さっきまでの小太郎と氏政の会話の内容が気になって仕方なかったが、自分が足を踏み込んだところでどうにもならない事は分かっている。
静かな部屋に碁石を置く音が響く。
そしてまた勝つのは直美だった。