• テキストサイズ

イケメン戦国 安土城の居候

第10章 顕如


煙と炎の中、刀と錫杖がぶつかり合う音が何度も響く。

睨み合いが続いたと思うと、今度は激しい斬り合いが続く。

お互いの武器が体の一部をかすめ、そこから血が滲んでも2人は戦う手を止めなかった。


無言で斬り合う信長と顕如だったが、一区切りがつく度に傷が増えていくのは顕如だった。

『あの女は随分と北条に気に入られているようだな』

『それがどうした。貴様には関係ない話だ』


直美の話を出された信長の表情は険しさを増していく。

怒りにも似た感情を刀に込めて攻撃を開始すると、ついに大きな音を立てて顕如の錫杖が真っ二つに折れた。

その瞬間、信長は顕如の首に刀を突き付けた。

『ここまでの様だな』

顕如は折れて使えなくなった錫杖を床に投げる。

『殺せ。殺さぬならこの城とともに燃え尽きるとしよう』

『殺すのは後からでも出来る。貴様は牢の中から俺が天下統一を成す姿を眺めていろ』
/ 596ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp