第10章 顕如
『信長様!!きっとこれは罠です。一人で行く必要などありません!』
『落ち着け、秀吉。この俺自らが奴に引導を渡してやるだけだ。それともこの俺が顕如ごときにやられるとでも思っているのか?』
『思いません。ですが……』
すでに信長の気持ちは固まっている。
もちろん秀吉もそれに気づいている。
こうなったら誰にも止められないという事を。
『わかりました。くれぐれも気をつけてください。
戻るのが遅いと判断した時は全員で城に突入します』
その言葉を聞くと信長は刀を手に一人で山中城の中に入っていった。