第10章 顕如
安土を離れた家康、秀吉、政宗は山中城周辺の町にある米を片っ端から買い上げていた。
もちろんその米は後から店が買い戻す事を許されている。
手間がかかる分、確実に効果のある作戦だった。
三成は念のため山中城の近くにある寺の位置を確認し、顕如が逃げ込みそうな寺には見張りの兵を配置した。
米の買い上げが終わり3人が駿府城に戻ると、翌日には大量の塩を持って全員で山中城に向かった。
『じゃあ、弱そうな奴を捕まえてくるから待ってろ』
『政宗さん、捕まえるだけですよ。殺さないでください』
家康が政宗に注意している。
『ああ、大丈夫だ。多分な』
『多分じゃ駄目ですから…』
政宗は山中城から出てきた男を追いかけて捕まえると信長の前に連れて行った。
男は政宗、家康、秀吉、三成から同時に刀を向けられ、信長からは銃口を向けられている。