第42章 いざ、安土城へ
翌日。
三河の地で何度か視察という名の休憩を挟みながら、安土城への道を進んでいく。
いよいよ安土城に近づくと、見慣れた城門のすぐ近くに見覚えのある人影を見つける。
(あれはっ!!)
『秀吉さーーん!!ただいまーー!!』
手を振りながら手綱を握り、秀吉の近くまで寄ると御影の背中から勢いよく飛び降りる。
『お帰り、直美。すまなかったな』
待っていたのは秀吉の優しい笑顔と、その直後の真顔での突然の謝罪だった。
『えっ!待って!何で秀吉さんが謝るの?迷惑かけたのは私なのに』
『いや、俺がもっと早く部屋に迎えに行っていれば色々巻き込まれずに済んだだろ?』
『そんな事気にしてたの?秀吉さんのせいじゃないからもう気にしないで。謝る必要もないよ』
言葉通り、秀吉のせいだと思ったことは今までに1度もなかった。
『いや、気にする。だからこれからは巻き込んだ分、めいっぱい甘やかすからな』
優しい笑顔、そしてお決まりの様に大きな手で頭をポンポンしてもらいこちらまで笑顔になる。