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イケメン戦国 安土城の居候

第42章 いざ、安土城へ


『す、凄く綺麗!!』


500年後にはあるはずの、背の高いビルなどは1つもなく。


天守から見える全ての景色に魅了され、言葉も上手く出てこない。


城の南には遠くまで広がる海、東には富士山、北には故郷の三方ヶ原周辺の景色、そして西側にはオレンジ色の太陽がこれから沈み始めようとしている所だった。


『ほう、これはまた見事な景色だな』 


信長も天守からの景色にすっかり魅了され、しばらく無言のまま3人並んで景色を見つめていた。 


(この2人とまさか浜松城でこうして景色を眺めるだなんて…色々あったけど飛ばされたのが本能寺で本当に良かった)


『ねぇ、500年後にこの景色がどうなってるのか想像もつかないけど、あんた本当にこの時代に残って良かったの?』 


家康から質問され、今見ている景色と500年後の景色が頭の中で重なる。


信長も直美が何と答えるのか気になる様で、2人が返答を待っているのがわかった。


『もちろん後悔なんてないよ。500年後の時代も好きだけど、この時代はもっと好き。信長様、家康、ありがとうございます。飛ばされたのが本能寺で良かったと思っています。戦のない未来にするため私も協力します。だからこれからも安土城に居候させてください。お願いします』


『当然だ、貴様は織田家ゆかりの姫だからな。この時代に残り、側にいるならば守る。そう約束したのを覚えているか?』


『はい、もちろんです』


『守ってあげるけど無茶はしないでよね、命が幾つあっても足りないから』 


『うふふ。気をつけます』



二人に満面の笑顔を向けた、と同時に聞き覚えのある音が天守に鳴り響く。


『わああぁぁぁ、何でこんな時に!!』


聞こえてきたのは直美のお腹が盛大に鳴る音で。


『真面目な話の最中に空気を読まぬ腹だな』


『あんたって本当に可笑しいよね』


『わざとじゃありません!もーっ!!』


今度は天守に3人の笑い声が響く。


それからすぐに食事の準備が整ったとの報告を受け、広間へと移動したのだった。
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