第41章 ズッ友と買い物
『確かに終わり良ければ全て良しという考えもある。どんなつもりで着物を贈ったかは知らぬが直美のいるべき場所はここではない。明朝には発たせてもらう。もちろん理解しているだろうが…』
信長が言い終わる前に今度は謙信が口を開く。
『当たり前だ。お前たちがこの女を泣かせる様なことがあればその時は休戦協定を解消し、春日山へと連れ去る。歴史が変わろうとも関係ない、それだけの事だ』
(一見、冷静に会話している様に見えるけど信長様と謙信様の会話ってものすごい威圧感で入っていけない!)
何も言えずに固まっている直美の様子を見て信玄が声をかけた。
『姫、まだ今日はこの城の特別な客人として扱わせてもらうよ。困った顔してないでここにおいで』
すると今度は静かに事態を見守っていた家康がそれを制止する。
『ちょっと、そんな事言ってちゃっかり自分の隣に座らせようとしてるよね』
今度は家康と信玄のミニバトルが始まる。
『客人はもてなすのが当たり前だろ』
『下心丸見え。それに俺たちも客人のはずたけど』
『女性をもてなすのは男の最低限の務めだろう』
『それが下心丸見えってことなんだけど』
(そうだった、この2人もよく考えたら因縁の二人だった)
『ちょっと待って!みんな落ち着いて!休戦協定してるんだから小さな事で争わないの!!』
収拾がつかなくなる前に何とかしたい。
その思いで発した一言はすぐに空気を変えた。