第41章 ズッ友と買い物
『城に着くまでに一刻と伝える様に言ったが、やはり暇だな。家康、行くぞ』
『は?行くってどこにですか?まさかですけど春日山城じゃないでしょうね』
『ふん、そのまさかだ。その方が面白いだろう』
『面白いとかそういう問題じゃないと思いますけど』
笑いながら歩く信長に返事をしながら、家康はその背中を追いかけていく。
小太郎が先回りして春日山城に状況を伝えると、その春日山城では2人の到着がさらに目前に迫ったことでかなり慌ただしく歓迎の準備が行われていく。
直美は城に戻るとすぐに謙信から呼ばれ、今は謙信の部屋で深呼吸しながら乱れた呼吸を整えていた。
『謙信様…着物をっ…ありがとうございました!』
『慌てずともよい。まずは落ち着け。その着物は俺と信玄からの餞別だ。安土に持って行くがよい。風魔と軒猿からの知らせによるとあと一刻ほどで信長と徳川がこちらに到着するそうだ』
『はい、それを聞いて急いで戻ってきたんです』
『明日には安土へ戻るのだな』
『はい……』
少しの間、沈黙の時が流れた。