第41章 ズッ友と買い物
(いつものを300…佐助君、言わなくても持ち帰りに決まってるよ!真面目な顔してるけどツッコミ入れていいのかな、それに確か何日か前にも買ったばかりだよね?)
一人で悶々と考えている間に佐助が店主から梅干しを受けとる。
『お待たせ。謙信様の梅干しは無事に買えたよ』
『そ、それは良かったね』
(ツッコミ入れたいけど満足そうだしまあ、いいか!)
『じゃあ、次は直美さんの買い物に付き合うよ。安土に戻る日もそう遠くないはずだ。せっかくだから何かお土産になるものを探しに行こう』
『ありがとう!実はまだ何も買ってなくて…』
『欲しい物は決まってんのか?』
『うん。1つはね。もう1つは考え中だから歩きながら決めてもいいかな』
『もちろんだ。じゃあ、決まっている方から買いに行こう。一体何が欲しいの?』
『えっとね、料理にかける唐辛子。ここでも手に入るかな?』
佐助への答えに幸村が反応する。
『は?唐辛子?何でそんなもんがいるんだよ』
『後から分かるから!だから早く買いに行こう!』
もちろん、それを渡す相手は家康だ。
ずっと香袋のお礼に何か送りたいと思っていたのだが、落ち着かない日々が続いたために何も用意出来なかったのだ。
『それならあの店か。直美さん、着いてきて』
佐助に案内されたのは現代で言うところの調味料専門店だった。