第39章 膝枕と戦女神
『戦女神か、まあ、間違いではなかろう。刀は使えぬがな』
『噂を流した毛利はどうするんですか?このままで終わるとは思えませんけど』
家康からは鋭い質問が飛ぶ。
『地盤を固め、近い将来西に領地を広げる。毛利とは必ず刀を交える事になるであろう。次は二度とこちらに歯向かえぬ様に徹底的に潰すだけだ』
信長の低い声が広間に響き、武将たちが背筋を伸ばしながら話に聞き入る。
『まずは2日後、春日山に向けて発つ。迎えに行くと約束したからな。家康、共に来い。遠江の視察をしながら戻るぞ』
『わかりました、2日後ですね。準備しておきます』
全員がまたいつもの生活が戻ってくる事を待ちわびていた。
広間での話し合いも解散となり、その2日後、いよいよ信長と家康が春日山城に向けて安土を出発したのだった。