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イケメン戦国 安土城の居候

第38章 一乗谷城の戦い


『佐助か、遅かったな。城の中にいた忍なら今ちょうど全員始末を終えたところだ。城が燃え尽きる前にさっさと外に出るぞ』


すぐに城の外に出ようとする謙信を佐助が何か考えながら引き止めた。


『謙信様、ちょっといいですか』


いつもと様子が違う佐助に気づいた謙信が佐助に理由を問いただす。


『死にたいのか?燃えている城から逃げない理由は何だ、早く説明しろ』


『はい。では手短に。おそらくですが、この火事を引き起こした雷はただの雷ではありません。もうじきここに、正確に言うと直美さんの近くにワームホールが発生するはずなんです』


『佐助君!!それ、本当なの?』


謙信の後ろにいた直美が驚いた表情をしながら声を上げる。


『ああ、おそらくそうだと思う。俺がこの時代に飛ばされた時と状況がそっくりなんだ』


『待って!私も同じだよ!突然雨が降ってきて、かなり近くで雷が鳴って……怖かったけど目を開けたらこの時代にいたの!』


数ヶ月前の記憶を急いで辿る。


『外からは雷が俺じゃなくて直美さんの事を狙っている様に見えたんだ。今外に出るのは逆に危ない。直撃を免れないかもしれないからギリギリまで城の中にいた方がいい。短い時間だけどワームホールから逃れる方法を考えよう』


雨はさらに強くなってきている。


切羽詰まった状況に全員がその場から動けずにいた。
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