第36章 有言実行(R18 )
目を閉じて、今は柿より甘い口づけに身も心も委ねる。
(私…急に押し倒されたのに全然嫌じゃなかった……)
そんな事を考えながら謙信の舌を追いかける様に絡めとっていく。
『ん……ふっ…………んんっ…………』
(このまま…もしこのまま続けてしまったら……)
瞬時の思考のその先は答えがすぐには見つからない。
だが言葉を発する事もままならない程に深くて長い口づけは、心も体も溶かしていくのに十分だった。
『今宵はあの時の言葉通りにする…』
それはもちろんこの先の展開を意味していて。
耳元でそう囁かれた後は綺麗な瞳に捕らわれる。
(拒めない、拒む理由もない)
目を合わせたまま静かにこくりと頷くと、再び唇を塞がれ甘い口づけが何度も交わされた。