第36章 有言実行(R18 )
そのまま幸村の部屋で昼食を取り、3人で話をしていると佐助が景家を呼びに来た。
『景家さん、謙信様がお呼びです。尋問がつまらないのでそろそろ代わって欲しいと……斬られたくないのて謙信様と代わっていただけますか』
(ふふっ、皆が斬られたくないって言うのが段々面白くなってきたな)
『わかりました。すぐに交代します。この部屋にいると伝えますので謙信様が来られるまではどこにも行かない様にしてください』
『はい。佐助君も来てくれたし、幸の部屋で待っていますから大丈夫ですよ』
直美の言葉を聞くと景家は幸村の部屋を出て牢へと向かっていった。
『しっかし、本当に過保護だよな~。この城の中ならどこを歩いても安全じゃねーか。城の中で護衛とか物騒すぎるし、気が休まらないだろ』
景家の足音が遠ざかったのを確認すると幸村から本音が飛び出した。
『常に誰かと一緒にいる以上、それは仕方ないよ。安心、安全の方が大事だし、もしお城の中で何かあれば困るのは謙信様でしょ?だからちゃんと言われた通りにするよ!』
『直美さん、いつも思うけどその適応能力どこで身に付けたの?本当に凄い』
『凄くなんかないよ!郷に入れば郷に従えでしょ?それだけのことだよ。佐助君の方がずっと凄いよ。だって500年後じゃ忍者とかけ離れた生活を送ってたんでしょ?』
『佐助、そーなのか?そういや何してたのか聞いたことなかったけど』
『ああ、確かに忍者ではなかったな。宇宙の事やワームホールについて研究してた。歴史は特に戦国時代が好きで、特に徳川家康の大ファンだ。あ、謙信様に斬られたくないから今のは内緒にして』
『ふぁん?何だよそれ』
『大好きっていうことだよ』
直美が幸村に説明する。
『ふーん、大好きねぇ。謙信様に聞かれたら間違いなく斬られるな』
『だから黙ってて。まだ死にたくない』
真面目な表情で語る佐助が面白くて思わず笑ってしまう。
『ふふっ!』
だが笑ったと同時に部屋の襖が勢い良く開く。
そしてそこに立っていたのは謙信だった。