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イケメン戦国 安土城の居候

第36章 有言実行(R18 )


『男は捉えましたが、まだ仲間がいる可能性もありますので今日は城の中でお過ごしください。それから謙信様からの伝言で、城の中でも必ず護衛を付けるようにとの事です』


『私は構いませんが、お城の中なのにちょっと過保護すぎませんか?』


『そうですか?貴女にはそのくらいがちょうどいいと思いますが』


(ダメだ、この話はこれ以上広がらない。黙って言うことを聞いておこう)


広間での反物選びが終わると、この春日山城で2番目に安全だという場所に案内される。


もちろん一番安全なのは謙信の部屋だ。


『景家さん、一体どこなんですか?』


『わかりませんか?私の部屋ですよ』


後に続いて歩いて行き、案内されたのは何と景家の部屋だった。


『私が護衛を勤める以上、私の部屋が一番確実に直美様をお守りできますから』


確かに言っていることはその通りだ。


『心配しないで下さい。私が直美様に手を出すことは絶対にありませんので。さあ、どうぞ。お茶を入れて差し上げます』


(さりげなく失礼な事言ってる気もするけど、確かに安心だ)


景家がお茶を入れるための茶器を取り出すと、その仕草の美しさに目を奪われる。


『景家さんはお茶を入れるのが上手なんですね。動きが優雅で、何だか見とれてしまいます』


『私を褒めても何も出ませんよ?直美様も小谷城での茶会に招待されたという事は、多少なりとも知識はお持ちなのでしょう』


『お茶会の作法はあまりよく分からなかったので秀吉さんや光秀さんに教えてもらったんです』


『そうですか、豊臣秀吉殿はあの千利休殿から茶の湯について学んだと聞いています。良い方に教わりましたね』


『千利休さんですか、会ったことはありませんが名前は聞いたことがあります。商人で茶人で、それだけで頭が良さそうです』


『商人も茶人も表向きの顔ですよ。敵には回したくない人物ですから織田軍との休戦協定は正直とてもありがたい話でした』


『休戦協定、私が寝ている間に結ばれてたんで驚きましたけど』 


『それはこちらも同じです。留守を守っている所に休戦協定を結んだとの文が届いたのですから』


驚いた者同士の会話が何だかとても楽しく感じられた。
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