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イケメン戦国 安土城の居候

第36章 有言実行(R18 )


景家の入れてくれたお茶を飲み終えると、部屋のあちこちに明らかに刀で付けられた跡があることに気づく。


『景家さん、お部屋に刀の跡が見えるんですがもしかしてこのお城、過去に襲撃にあったんですか?』 


それを聞いた景家がニコニコと笑いながら答えてくれた。


『襲撃にあいましたよ、ただし城ではなく私がですけど』


余裕の表情で語る景家に、何と言っていいのか言葉が上手く見つからない。


『それは…例えばお城にいた間者に狙われたんですか?』


恐る恐る聞いてみると、景家はニコニコしたまま答えてくれた。


『いえ、襲ってきたのは謙信様です。昔はとにかく暇さえあれば鍛練だと言って斬りかかってきましたからね』


『謙信様が!?』


そう言われると納得できるのだから不思議だ。


鍛練、斬る、この2つをいつも謙信が口にしているからだ。


『はい。以前の謙信様は戦の事ばかり考えていましたから』


簡単にその姿を想像してしまう。


『信玄殿や佐助殿が春日山城に来てからはその頻度は減りましたが今でもありますよ。特に直美様が富山城から安土に戻られた後は大変でした』


『あはは…そうだったんですね』


『いつまでも春日山城にいてもらって構いません。謙信様にも私たちにも貴女がここにいてもらった方が良いのです。ですからあの件、是非ご検討を』


最後は短く略された言葉だが、景家が何を言いたいのかは容易に想像がつく。


『とにかく今はこちらにお世話になります!その間は城主である謙信様の言うことはちゃんと聞きますし、出来る事はしますから』


今はそう答えるので精一杯だった。
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