• テキストサイズ

イケメン戦国 安土城の居候

第33章 毛利元就の思惑


『……短い時間の間にずいぶんと逞しく(たくましく)なったものだな……いいだろう。今回限りは私の命をお前に預けることにする。紙と筆を寄越せ』


蘭丸はすぐに紙と筆を顕如に渡し、文を書くのを見届ける。


『顕如様……ここから出してあげられなくて本当にごめんなさい』


『謝るな。こうなることはきっと決まっていたのだ。行け、門徒たちの暴走を止めて少しでも多くの命を救ってこい』


『はい。顕如様のこと、絶対に守ってみせますからね!』


蘭丸は顕如の書いた文を受け取ると再び頭を深々と下げ、地下牢を後にした。


まだまだ若くて頼りないと思っていた蘭丸の後ろ姿がいつもとは違って見える。


顕如は優しい瞳を向けて蘭丸の姿を見送ったのだった。
/ 596ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp