• テキストサイズ

イケメン戦国 安土城の居候

第31章 蘭丸


『おい、蘭丸。明日はどうするつもりだ』


謙信からの質問に蘭丸は迷うことなく答える。


『明日は今日と同じ場所を引き渡し場所に指定して顕如様を救う。もちろん上手くいったら直美は安土城に帰すよ』


いつもの調子で答える蘭丸に対し、謙信は落ち着いた声で再び問いかける。


『だがもし信長が引き渡しに応じなかったらどうするつもりだ?見せしめにこの女に手をかけるのか、それともこのまま2人で毛利の手から逃げ切るつもりなのか?』


『……毛利さんは直美を利用すれば上手くいくって言ってた。だから上手くいく事しか考えてないよ』


蘭丸のその言葉を聞いて信玄も話に加わる。


『甘いな。俺が信長なら顕如の引き渡しには応じない。引き渡せばこの後に始まる戦はおそらく日ノ本全土を巻き込むだろう。そうなれば姫が安土に戻ったところで必ず戦に巻き込まれる。織田軍への復讐どころではなくなるだろうな』


『お前の考える織田軍への復讐は、最終的には信長の首を取るということだろう、ならば回りくどいことをせず、明日は直接信長と一騎討ちでもしたらどうだ』


信玄と謙信の意見に乗せられたわけではないが、蘭丸の中で立てていた計画が崩れる予感がしたのは確かだった。
/ 596ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp