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イケメン戦国 安土城の居候

第31章 蘭丸


織田軍の元を目指して走り続けていた直美だったが、離れた場所に伊賀の忍が潜んでいるのを見つけ足が止まる。


木の影に隠れながらゆっくり呼吸を整えると静かにその場に座り込み、頭の中を整理する。


(蘭丸君、仲間から攻撃されてた。ビリビリに破ったあの文には何が書いてあったんだろう。さっきの状況、上手く切り抜けたのかな)


蘭丸のことも心配だが、今は織田軍の元を目指さないといけない。


身を隠すためとはいえ、座って休憩して汗が引くと今度は体が冷えてくる。


『………っくしゅん!』


(まずい!!完全にやっちゃった!!)


『おい!あそこにいたぞ!捕まえろ!』


(もう、何なのこの状況…)


すぐに立ち上がって再び全力で走り出すものの、忍から逃げられるわけもなく。


簡単に後ろから羽交い締めにされた。


『離してください!』


『依頼が変更になった。顕如の救出より先にお前を安芸に連れていく、大人しく着いてこい』


『どうしてですか!安芸なんかに行きません!』


『報酬は最初の依頼の10倍。従わない者は殺せとの命令だ』


(だから蘭丸君を攻撃したんだ。さっきの状況、それなら頷ける。安芸って毛利元就がいる所だよね、だったらますます逃げなきゃ)


『逃げようとしても無駄だ。せっかくだから安芸に連れて行く前にここで可愛がってやろうか?』


『やだ、やめてっ!』


いきなり地面に押し倒されて、あまりの恐怖に体が思うように動かない。


数人の忍に囲まれ、これはもう絶体絶命だと思って固く目を閉じた。
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