第31章 蘭丸
『せっかく信長様から譲ってもらった大切な馬だから今よりもっと仲良くなりたいし、早く乗りこなせるようになりたいの』
『聞いたぞ、ちゃんと乗れるようになったら遠江に行くんだろ?』
『その話、政宗も知ってるの!?』
(まあ、別に信長様と二人だけの秘密ってわけでもなかったし、公認なら話も早いからいっか!)
『ああ。遠江まで行けるなら奥州だって行けるな。今度遊びに連れてってやるから早く乗り方を覚えろよ』
『うん!』
『じゃあ、また早駆けで来た道を戻って帰るぞ』
政宗の後ろについてまっすぐに走るだけだったのだけれど、気がつけばなかなかのスピードが出ている。
(教え方が本当に上手いな。御影もちゃんと言うことを理解してくれて頭がいいんだね)
馬に乗る練習を終えると信長に命じられたおつかいを済ませるため、政宗と一緒に城下町に向かった。