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イケメン戦国 安土城の居候

第31章 蘭丸


『ありがとう。大事にするね』


受け取った香袋をそっと懐にしまった。


その後は少しだけ沈黙の時間が流れたものの、薬を作るのに使った道具を片付けながら家康が先に口を開いた。


『あのさ……ずっと気になってた事があるんだけど聞いてもいい?』


『気になってた事?』


この時点ではまだどんな事なのかは全くわからない。


『うん。前に富山城の支城に行った時の事なんだけど…佐助が直美と秘密を共有してる当事者だって言ってたんだ。信長様と謙信は分かってたみたいだけど一体どういう事なの?』


いつも呆れたように見てくる眼差しが、今は真剣さを表に出してまっすぐにこちらを見ている。


『あのね…本当は内緒なんだけど家康には安土城に来た時からずっとお世話になってるから話すね』


嘘をついてまで隠す必要はないと思った。


ゆっくりと言葉を選びながら自分と佐助が約500年後から来たことを伝える。


家康はもちろん最初は信じられないといった表情をしていたが、最終的には信じると言ってくれた。


『最初に会った時から何かおかしいと思ってた。でもその理由が今やっとわかって安心したかも』


『黙っててごめん。誰にも言わない約束を信長様としていたから…』


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