第28章 佐助のターン
家康と政宗も同様にどうやって安土城に安全に帰るかを考えていた。
『安土近くの村まで一気に早駆けして、そこで迎えにきた援軍に合流するのはとうですか?』
『逃げ切るにはそれが一番だろうな。何だかとんでもない茶会になっちまった』
『面倒な事になる前に安土城に帰りましょう。ここは朝晩の冷え込みがきついです。油断すれば下がった熱が簡単に上がりますから』
次の日の夜、安土城に帰るための話し合いをするため全員が風魔の隠れ家に案内されることになった。
一度に大勢で移動すると目立つからと、先に隠れ家に案内されたのは政宗と家康だった。
しばらく直美に会っていない事に配慮した佐助が2人を先に案内したのだ。
『政宗ー!家康ー!こっちだよ~!!』
大きな声で名前を呼びながら手を振る直美の姿を見て2人は本当に安心する。
『まったく、あれのどこが姫なんだか。もし俺が秀吉さんなら所作を教えた甲斐がなさすぎて泣きますね』
『あの様子ならもうすっかり体調はいいみたいだな』
久しぶりの再会が嬉しくて直美の足は自然に政宗たちのいる方向へ向かって動き出す。