第28章 佐助のターン
『毛利は織田軍が伊賀の国を攻めた後、散り散りになった伊賀の忍を集めていたらしい。一ヶ月前の事をきっかけに共通の敵が織田軍になったところで再び動き出したんだろう』
『そんな!信長様が深い怪我を負わせたからしばらく表舞台からは姿を消すだろうって皆で言ってたんだよ!あれからまだ一ヶ月しか経ってないのに…』
思わず声を上げてしまった。
話を静かに聞いていた小太郎が佐助と直美の間に入る。
『毛利元就との事は聞かせていただきました。傷は治らなくても部下に指示を出すことは可能です。この先も追っ手を使って織田軍とその関係者を狙う可能性が極めて高いと思います』
確かにその通りだ。
まだ生きているだろうとは聞いていたけれど、こんなにも早く名前を聞く事になるなんて本当に衝撃だった。
『まずは体調をしっかり復活させよう。どうやって帰るかはそれから決めればいい。休めるときにしっかり休んでおいて』
『うん。ありがとう』
小太郎に入れてもらったお茶を飲み干し、ポカポカになった体のまま再び横になって目を閉じた。