第28章 佐助のターン
佐助は一旦、風魔の隠れ家を離れると川沿いを歩く謙信たちを探して報告に向かった。
全員が面白くないといった表情をしていたが、佐助と直美が無事だったことに心の底から安堵する。
謙信たちはしばらく一乗谷の城下町に滞在する事を決め、その間に爆発を起こした犯人を探すことにした。
その後、謙信たちとは反対側の川岸を歩いていた政宗と家康にも状況を説明する。
だが織田軍にとって風魔の印象は最悪な物でしかない。
毒を塗った武器で信長を傷つけ、直美を小田原城まで連れ去ったのだから当然だ。
なかなか納得してくれなかったが、直美の体調が落ち着くまで佐助がそばにいること、こまめに報告をする事を条件に出すと渋々頷いてくれた。
『あの子の熱が下がったらすぐに安土に連れて帰るから。それまでは城下町で待っててあげる』
『ちゃんと旨い飯を食わせてやれよ』
こうして家康と政宗もしばらくの間、一乗谷の城下町に滞在する事になったのだった。