第27章 偽りの同盟
『わかりました。今、家臣の馬でこちらに向かっています。間もなくこちらに到着する予定ですのでお待ちください』
もちろんここまでは予定通りだ。
あとは直美を保護し、織田軍が攻めてきたら攻撃に転じるのみ。
朝倉と浅井が自分たちの軍の規模と編成について謙信に説明をしていると広間に報告が届く。
『失礼いたします。浅井様の小谷城が織田軍の手に落ちました!』
ここで信玄が朝倉に声をかける。
『うちの優秀な三ツ者の情報によると、織田軍の狙いは小谷城の次はこの一乗谷城らしいぞ?』
『さっそく戦ですか、では戦女神様が巻き込まれないよう安全な場所に移動していただかなければいけませんね』
景家がすぐに返事を返す。
もちろんこれも景家が事前に仕込んだ会話だ。
『たとえ織田軍が攻めて来ようともこちらには軍神と戦女神がいるのだから案ずる事は何もない』
余裕な表情を浮かべる朝倉と浅井の2人。
もちろん謙信は気に入らなない。
今すぐにでもこの2人を斬ってしまいたかった。