第25章 茶会
『とにかく違いますから。私は戦女神なんかじゃありません』
ここで黙って話を聞いていた朝倉が立ち上がる。
『長政、護衛が戻って来る前にここを出るぞ』
『私はもう帰らせていただきます』
一言告げて直美も立ち上がる。
こんな話を聞かされてもう茶会どころではない。
『直美、俺たちと一緒に来てもらうぞ。これからは戦女神として浅井朝倉軍を勝利に導け。生活はちゃんと保証してやるからな』
『私をお茶会に誘ったのはこのためですか。どこに行くのかは知りませんが一緒には行きません。安土に帰ります。失礼します!』
急いで扉の内鍵を外そうとするが、伸ばした手を後ろから簡単に掴まれてしまった。
その直後、鼻と口を布で塞がれる。
(家康!政宗!助けて………)
甘い香りのする薬のような物を嗅がされ、すっと意識が遠のいていった。