第24章 鷹狩り
『いい返事を期待してるからな。帰ったらすぐに茶会の準備だ。正式に決まったら文を送るから待っててくれよ』
『はい、わかりました』
信長たちはまだ戻ってこない。
村の中を見ると遠くに3人の姿が見え、村人たちと会話をしているのが確認できた。
長政も3人の姿を遠くに確認すると笑顔から真剣な表情に変わる。
そして直美に今回の安土訪問の理由を語り始めた。
『今回、俺は織田軍との同盟を解消するために来たんだ。だが信長様に引き留められた。正直どうしたらいいか揺れている』
いきなり真面目な話になって戸惑ったけれど、それならこちらも真面目に返事をするのが筋だ。
そう思って自分の意見を正直に述べた。
『この乱世において誰につくかはとても大事な事だと学びました。誰に何を言われても長政様が後悔しない道をお選びになるのが一番だと思います』
『直美がいるだけで軍全体の士気が上がりそうだな。俺にはわかる、君はただの姫なんかじゃない』
『姫って何なんでしょう、我ながら良くわかりません。概念にはとらわれず私は私らしくいたいと思っているだけです』
しばらく沈黙した後、長政はいきなり刀を抜いた。
『!!』
『しーっ、静かに。敵に囲まれてる。直美はここから一歩も動くなよ』
その数秒後、突然村の入り口で数人の男たちと長政の斬り合いが始まった。
そして長政の言葉に耳を疑う。
『お前たち、こんな所まで追いかけてきて城主に刀を向けるのだから斬られる覚悟は出来ているな』
(えっ?じゃあこれって謀反なの?なんで長政様が狙われてるの!?)
争いに気づいた信長たちが急いで長政の元に駆けつけ事態はすぐに収まったが、頭の中は疑問でいっぱいだった。