第24章 鷹狩り
昨日の突然の大雨のせいで、日光が当たらない道はぬかるんでいる。
そのため予定よりだいぶ遅れて休憩と視察を兼ねた村に到着した。
村の入り口近くを流れる小川の横で馬を休ませていると、家康が外れにある野原をじっと見ている。
『秀吉さん、俺の馬をちょっと見ててもらってもいいですか?』
『ああ、何かあったのか?』
『あそこら辺に薬草がいっぱい生えてたんで確認のために見てきます』
『私も行く!家康、ちょっと待って!』
面白そうだったのでスタスタ歩いていく家康の背中を急いで追いかけた。
たどり着いた野原には見たことのある植物がたくさん生えている。
『あ、薬草ってもしかしてこれのことかな、ゲンノショウコ、違う?』
『!?うん、そう。良くわかったね』
『私の故郷にもたくさん生えてたの。実際に薬草として使った事はないんだけどね。これ、どうやって使うの?』
『干して煎じて整腸薬にするんだよ。手軽に使える民間薬として出回ってる。そっちのササクサは煎じて飲めば解熱剤として使えるから覚えとけば』
『そうなんだ、ササクサも見たことはあるけど薬草だなんて知らなかったよ。勉強になります』
以前は無理矢理にでも聞かないと何も教えてくれなかったのに、こうして家康が自然に教えてくれる様になったのはかなりの進歩だった。