第22章 帰城
広間に入るとすでに武将たちが全員揃い、直美と蔦花が来るのを待っていた。
『蔦花殿はこちらだ』
光秀が案内書したのは政宗と光秀の間の席だった。
(蔦花ちゃんが政宗に憧れてるって知ってるんだ。さすが光秀さん、何でもお見通しだな)
蔦花は顔を赤らめながら2人の間に座る。
(飲んでないのにもう真っ赤だよ…蔦花ちゃん、大丈夫かな)
『直美、貴様は俺の隣に来い』
『はい!今行きます!』
信長に声をかけられ、笑顔で移動した。
『全員揃ったな。ではこれより宴を開始する。直美、今宵は貴様も飲め』
(お酒!今夜はさすがに断る勇気はないよ)
信長から盃を渡され、その中にお酒を注がれる。
『ありがとうございます。いただきます』
潰れるほど飲まなければ大丈夫と、覚悟を決めて飲み干した。
『…………美味しい!!』
隣には満足そうな表情の信長がいる。
『安土で一番の酒だ、好きなだけ飲め』
『信長様も飲んでください!返杯いたします!』
飲み終わると信長の盃にお酒を注ぐ。
信長が盃を空けると再びそれをお酒で満たした。