第22章 帰城
『お待たせー!』
着付けが終わり、部屋の襖を開けるとなぜか蔦花が顔を赤く染めている。
『蔦花ちゃん?大丈夫?』
(きっと三成くんのエンジェルスマイルにやられちゃったんだね、わかるよ!)
『う、うん、大丈夫』
『直美様、信長様の選んだ着物がとっても似合っていますよ。一段と綺麗になりましたね。蔦花様もそう思いませんか?』
そう言って三成はまたエンジェルスマイルで蔦花に話しかける。
『は、はい!凄く素敵です』
(ふふっ、私もあの笑顔にやられたし正直まだ耐性がついてないからかなりドキドキするよ)
『三成くん、広間に行こう!』
『はい。ではお二人をご案内いたします』
三成を先頭に廊下を歩き始める。
『直美ちゃん、三成様の笑顔って眩しすぎると思わない?』
『わかるわかる!無自覚ってのが罪だよね。私もまだ慣れなくてドキドキするもん』
『さっき秀吉様の家臣って言ってたけど、秀吉様も素敵な方だよね。なんだか夢を見てるみたい!』
『私も最初ここに来たときは夢じゃないかと思ったよ。みんないい人たちだから安心してね』
三成には聞こえない様にこそこそ話しながら広間に向かうのだった。