第22章 帰城
直美の部屋から漏れる黄色い声と笑い声に、直美を追いかけてきた三成と家康は潔く部屋を後にするのだった。
広間では宴の準備が始められ、政宗が腕を振るって作った料理が次々と運ばれていく。
信長たちが無事に安土城に戻ってきた事が城下にも知れ渡り、お酒やお米など祝いの献上品が広間へ並べられる。
そんな事は露知らず、直美と蔦花はお互いの話にずっと夢中になっていた。
『直美様、三成です。お話が盛り上がっているところすみません』
『三成くん?どうしたの?』
『宴の準備が出来ましたので、こちらの着物に着替えていただけますか?信長様が用意された着物です。蔦花様も一緒に宴にいらしてください』
『宴!?わかった。今、着替えるね。蔦花ちゃんは三成くんとお話しながら待ってて!』
三成から着物を受けとると蔦花は一旦部屋を出る。
急ぎながら、雑にならない様に丁寧に受け取った着物に着替えた。