第22章 帰城
『そういえば蔦花殿が針子部屋にいるはずだ。今のうちに会いに行け』
『蔦花ちゃん!安土城にいるんだ!光秀さん、ありがとう。行ってきます』
広間を後にして次は針子部屋に向かった。
『蔦花ちゃん、いるー?』
直美か突然現れ、針子部屋は騒然となる。
『あ、直美ちゃん!おかえりー!』
針子さんたちに囲まれながら蔦花と手を取り合った。
『蔦花ちゃんが無事で良かった!富山城も危なかったんだよ』
『全て十兵衛様のおかげなの。直美ちゃんにも十兵衛様にも本当に感謝してるよ!』
蔦花が安土城にいるとは思っていなかった。
お礼の件も含めて色々と話がしたい。
『蔦花ちゃん、私の部屋でゆっくり話そうよ!』
『待って、お仕事が…』
針子の一人が蔦花と直美に近寄る。
『こちらは大丈夫です。今日は2人でゆっくり過ごしてください』
『ありがとう。蔦花ちゃんをお借りしますね!』
久しぶりに自分の部屋に戻ると、蔦花が安土城に滞在するまでの経緯を聞く。
直美が謙信に連れられ富山城を離れた後の出来事も話す。
そしてその後はいつものガールズトークに花を咲かせた。