第5章 家康と金平糖
『佐助君も元気そうで良かった。同じ時代から来たってだけで心強いんだよ。
ねえ佐助君、私たちが元の時代に戻る方法ってあるの?』
1番聞きたかった質問を直球でぶつけてみた。
『すまないがまだ方法はわからないんだ。でも必ず見つけてみせるから諦めないで』
少しの沈黙の後、佐助君はそう言ってくれた。
その言葉に嘘はなさそうだった。
『わかった。方法が見つかるまで何とかこの時代で頑張るよ』
『俺も忍者としての腕を磨きながら頑張ってみる。何かあれば頼って。謙信様と織田信長は敵だけど、俺は直美さんの味方だから』
『ありがとう。そうだ、佐助君はこの時代に来てから忍者になったって言ってたよね?』
『うん。謙信様の元でみっちり鍛えられたよ』
北条の抱える忍について聞いてみると、もちろん知っている様だった。
『風魔が安土に忍び込んで何を嗅ぎ回っているのか知らないけど、テロ集団と言っても過言じゃないから気をつけて』
『うん、わかった』
話を終え、佐助君に安土城の近くまで送ってもらった。
城門の近くに家康と秀吉さんが立っている。
もしかして私を待っててくれたのかな。
急ぎ足で二人に駆け寄った。
『家康!無事で良かった!』
『その言葉、そのまま返す。あんた一体どこに隠れてたの!』
『走ってたら迷っちゃって城下を一周…みたいな?』
『二人とも無事で何よりだ。信長様に早く報告してこい。俺は城下の見回りに行ってくるからな』
秀吉さんに促されて家康と天守に向かい、一部始終を信長様に報告した。